カビや結露が発生する原因は、高温多湿という気候風土のせいばかりではありません。私たちは毎日の暮しの中で多くの水分を発散しています。
例えば、日常生活の中で、人体から1時間約35g、入浴1回約250g、調理1日約500g等、4人家族では、1日に少なくとも約7kgもの水蒸気を発生させているといわれています。
もっともっと、こまめな換気を心掛けましょう。
家相の話の中で、よく「鬼門」という言葉を耳にしますね。北東の方角を表鬼門、南西の方向を裏鬼門といって、昔から忌み嫌われてきた方角です。実はこれ、科学的にも根拠のあるケースがあります。 例えば、日の当たりにくい北東は冬の冷気がこもりやすく湿気が逃げにくい方角。逆に南西は夏の熱気がこもりムレやすい方角。家にとっても、住む人にとっても、健康によくない方角なのです。
一年中多湿の状態が続く押し入れ。通気を考え、床にすのこを置いたり、寝具類は壁から離すなど、ぎっしり詰め込まないことが重要です。換気は、湿度が高い朝方と夕方、雨の日はさけて、晴れた日にふすまと窓を開けましょう。押し入れの換気だけでなく、寝具類のにおいを少なくする効果もあります。
タンスなど家具類は、風通しの悪い部屋のすみに置きがち。 こうした自然乾燥がしにくい場所は、時々、扇風機を使って強制的に風を送ってやることも必要です。しかし通気性を考えれば、家具は壁面から5センチ以上離し、すのこなどで底面も床から2センチくらい浮かすのがベストでしょう。
床にカーペット類を敷いていませんか?カーペット類は、保湿性が高いために床との間に湿気がたまりやすくなっています。できれば、上に物を置かず、週に一度は干しましょう。特に、畳の上に敷くのは考えもの。畳の長所である吸湿性を妨げることにもなり、部屋の結露やダニの繁殖へつながります。
カンタンで確実な効果がえられる除湿機。押し入れを閉めきって除湿機をかけると、梅雨時期で1~2リットル以上の水を取り出せるという実験結果があるほど。靴箱や衣装箱、出窓など、湿気がこもりやすい場所には手軽な除湿剤を使用し、できるだけ水分を除去しましょう。
それは、ズバリ室内汚染を防ぐこと。騒音や、大気が汚れているなど、窓を開けられない事情があるかもしれません。
しかし、例えば、石油ファンヒーターの運転(設定温度20℃)を開始すると、二酸化窒素の室内濃度は急激に上昇し、健康保護のための目安となる濃度を10分程度で超えて上昇し続けたというテスト結果があります(国民生活センター)。換気は、健康面に関しても大切ですね。