近年、ヒ素の毒性及び発ガン性が改めて見直され、環境基準や排水基準をはじめ、各種規制が厳しくなってきました。
世界でも有数の火山国である日本は数多くの温泉に恵まれていますが、同時に地下水(温泉水)に、鉱物から溶出する毒物(ヒ素)が含まれるケースも少なくありません。飲料水(井戸水)に含まれるヒ素、温泉排水のヒ素の処理には、多くの開発費用が投じられていますが、現実的には高額なプラント建設費が障害となり、対策が遅れているのが現状です。
当社は、ヒ素除去技術のパイオニアであるカナダのADI社とライセンシー契約を締結致しました。同社の特許技術であるADI法ヒ素除去システムを導入し、日本国内向けにトータルなヒ素除去プラントをエンジニアリングしています。
ヒ素除去の方法はいくつか挙げられますが、ADI法はろ材にヒ素を吸着させ除去する、吸着法と言えます。ADI法に用いられるメディア(ろ材)は、ヒ素を選択的に吸着する特性を持つように開発されたため(特許技術)、処理にムダがなく、発生汚泥は著しく減少します。また他の水質に影響を与えることがほとんどありません。 メディアに一度吸着されたヒ素は再び流出することがないため、安全かつ衛生的にプラントを運転することができます。吸着済みのろ材の廃棄物処理についても、特別な規制を受けることはありません。
このような効率的な処理により、結果的にコストパフォーマンスに優れるという最大のメリットが生まれ、高性能・省スペース・低コストを実現させたヒ素除去法がADI法です。
高処理能力により設備を縮小。 建設費、ランニングコスト共に大幅な経費節減ができます。
高ヒ素を選択的に吸着するため、他のイオンに影響されず、効率の良い処理が可能です。
再生時にのみ、ごく少量の汚泥が発生するだけであるため、従来の方法と比較すると、ランニングコストが大幅に削減できます。
24時間自動運転で管理するため、特別な管理技術を必要としません。
汚泥は通常運転では発生せず、薬品もごく限られたものしか使用しないため、安全かつ衛生的に運転することができます。